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FlightHubが実現すること
DJIのエンタープライズパートナー部門を統括するJan Gasparicは今回発表されたFlightHubについて、「ドローン技術をビジネスに活用したいというニーズは、日々高まり続けています。また、業務計画を迅速に立て、さまざまな現場でフリートやチーム数を効率的に管理するためのソリューションが求められています。FlightHubは、ビジネスシーンにおける効率的なドローンのオペレーション管理を可能にする、世界初のソリューションです。単一プラットフォームで提供するFlightHubは、操縦現場から離れた場所からでも安全に管理でき、準備のために必要な時間はわずか数秒です。」と述べ、自信を覗かせています。
では、実際にこの『世界初のソリューション』を使うことで何ができるようになるのか見ていきたいと思います。
ドローンオペレーションを遠隔からリアルタイムで確認
FlightHubは、現場のパイロットと離れた場所にいるチームを効率的に連携させられるため、ドローンの業務活用の一元管理が可能になります。『マップビュー』と『リアルタイムビュー』は、意思決定に必要なテレメトリデータ(遠隔地での測定結果)、カメラデータやセンサーデータなど、様々な情報が表示されるといいます。
- マップビュー
地図情報を基に、現場から離れた場所にいるチームに飛行中のドローンのテレメトリデータをリアルタイムで提供することにより、ドローンの一斉飛行や複数チームによる飛行などのオペレーションを容易にすることができます。さらに、ジオフェンシングシステムにより、規制や制限による飛行禁止エリアや、安全上飛行に問題があるエリアが自動で特定され、ユーザーは常に最新情報を確認できるといいます。 - リアルタイムビュー
現場から離れた場所にいるチームに、飛行中の最大4機までのドローンからライブ動画を配信します。これにより、現場にいるパイロットと離れた場所にいるエンジニアの情報連携が可能となるため、適切なワークフローを導入できます。さらに、重要なフライト業務においては、リアルタイムデータを提供することで、迅速な意思決定が可能になります。
どこからでも安全にフライトデータへアクセス
FlightHubのデータ管理ツールには、飛行データを検索できるデータベースに安全に同期し、保存できる機能があります。これにより、プロジェクトやフリートの規模にかかわらず、規制や法令への順守とパイロットの責任を明確にし、チーム管理が強化されます。
- フライトログと統計情報
これらの情報は、データベースに同期し、保存が可能です。過去のフライト情報も検索可能なデータベースが作成されるため、パイロットは飛行情報をマニュアルで記録する必要がなくなります。アドミニストレーター(管理者)は過去のテレメトリデータを保存できるので、規制や法令への順守とオペレーション管理を簡単に行えるため、より効果的な内部コミュニケーションが可能になります。 - 安全なウェブアクセスとクラウドストレージ
米国を拠点とするAmazon Web Service(AWS)サーバーを介して、どのようなウェブブラウザからでもFlightHubへアクセスできます。FlightHubのデータ管理オペレーションは、SOC2 AICPA基準に準拠した評価を受けており、今後のバージョンでは、企業や団体の最も高レベルなデータセキュリティの要求にも応えるプライベートクラウド機能が統合される予定だといいます。 - メディアライブラリー
写真や動画も含む飛行情報を操縦アプリ「DJI PILOT」から直接FlightHubへ伝送することで時間を短縮することができ、DJI PilotやSDカードから、データをマニュアルで伝送するプロセスも省略できます。(近日公開予定)
フリートとチーム管理を簡単に
- フリート管理機能
機体の使用状況を簡単に追跡できます。フライトを個々のデバイス名で監視できるため、より効率的に機材購入計画を立てられます。 - チーム管理機能
ユーザーはAdministrator(アドミニストレーター)、Captain(キャプテン)、Pilot(パイロット)の階層システムからチームを設定し、管理できます。また、クライアント、位置、ミッションタイプによってチームをセグメント化できるので、リソースとチーム管理が強化できます。
米連邦航空局(FAA)が承認した特定の領域とインスタンスで商業ドローンの実験を行うUAS Pathfinder(パスファインダー)プログラムにおいて、FAAと共同研究開発契約を締結しているBNSF鉄道のUAS フィールド オペレーション マネージャー、Nick Dryer氏は「BNSFで最初にドローンによるプログラムを開始した時は、マニュアルでの飛行データの記録や現場にいるチームに常にメンテナンスの指示をするなどの複数プロセスを一から開発する必要がありました。FlightHubは、オペレーションと内部コミュニケーションを単一プラットフォームでリアルタイム提供するため、プログラム管理が極めて容易になりました。このソリューションは、新しい技術をあらゆる産業へ幅広く拡大させる機会を与えてくれます」と述べています。
価格と販売時期
FlightHubは、企業を対象に、下記3種類のプランで提供される予定です。
- ベーシック: 月額料金:12,800円、年間料金:129,000円(税込)
リアルタイムビューを除くすべての機能が、最大5機のドローン利用可能 - アドバンスド: 月額料金:38,800円、年間料金:388,000円(税込)
ベーシックプランのすべての機能と、リアルタイムビューの機能が、最大10機のドローンで利用可能。 - エンタープライズ:
アドバンストプランのすべての機能が、最大10機のドローンで利用可能。さらに、データをプライベートクラウドに統合できる機能が追加予定。
※エンタープライズプランの販売時期および価格については、後日改めて発表あり。
FlightHubについての情報、オープンβテストへの参加希望の場合は、下記URLよりご確認ください。