【スイス・フランス】RigiTechとBiogroup、ヨーロッパ初の目視外飛行許可を取得

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参考記事及び写真引用元:https://www.commercialuavnews.com/drone-delivery/rigitech-and-biogroup-aim-to-redefine-logistics-with-new-bvlos-authorizations

物流ソリューションの需要が世界的に高まる中、スイスに本社を置くドローン配送会社RigiTechは、混雑した都市や川、湖、山の上を飛行することで、配送時間を短縮し、医薬品や医療機器をほぼ瞬時に入手できるよう体制を整えています。そのために、RigiTechとフランス最大の研究所グループBiogroupは近年、自社の研究所間でBVLOS(目視外飛行)定期飛行を開始する飛行認可を取得しました。

BVLOSの規制が厳しい中、DGAC(フランス民間航空総局)やDSNA(航空航法サービス)と継続的にコミュニケーションを取ることで、RigiTechとBiogroupはBVLOSの許可取得に成功したのだそうです。また、リヨン・サンテグジュペリ空港、ピエール・ウド病院ヘリポート(ブルゴワン・ジャリュー)、フロントナス空軍基地、クリアランス、ブルゴワン・ジャリューおよびティニュ・ジャメジウ自治体の現地チームと管制塔の協力により、今回の提携はフランスで初めて、またヨーロッパでも初の管制空域内でのドローン配送ルートとして承認される運びになりました。

「ヨーロッパのドローン規制は、ドローン運用の柔軟性を高めるために常に進化しています。しかし、その新しさや従来の航空との違いから、業界はまだ学ぶべきことが沢山あります。私はこのプロセスに参加できたことを大変誇りに思います。これらの認可は、業界全体が安全性を損なわずに、ドローンの可能性を押し広げることに役立っています。」と、RigiTechのオペレーション責任者であるAlejandro Del Estal氏は述べています。

ドローンによって輸送時間を50%削減に成功

フランス国内に930の拠点を持つBiogroupは、毎日10万人以上の患者からサンプルを採取し、分析を行っています。ほとんどの拠点でルーティン分析が可能ですが、緊急性の高い検査は約30拠点に集約されています。2021年、同社はドローンによる配送を行うためにRigiTechに協力を求め、「輸送時間を平均で3~4分の1にできるようになりました」と、Biogroupのオリアド・ノビブル研究所CEOのBernard Berlioz氏は述べています。
「さらなるドローン配送への可能性を探求することで、車両と人員を伴う陸上輸送と同等のコストを達成できるはずです。」

新しくBVLOSの認可が降りたことで、Biogroupが2022年末から2023年初めまでにドローンの新商品を多く展開する運びとなりました。最初のBVLOSの飛行ルートは、17.6km離れた研究所を結ぶもので、周辺のローカルクリニックから生物学的サンプルを直接メインラボに輸送して処理・分析することが容易になり、より早い診断と適切な治療への迅速なアクセスが可能になります。
このルートは車で30分かかるのに対し、血液や生体サンプルなどの医療品を確実にコールドチェーン(冷凍)輸送するために設計されたRigiTechのドローン「Eiger」は、配送時間を50%短縮し約15分で輸送することが可能です。

ヨーロッパでも広がりつつある目視外飛行の重要性

RigiTechにとって、今回のBVLOS認可は、フランス、スペイン、そしてヨーロッパ全域にあるBiogroupのいくつかのクリニックや研究所を結ぶ複数のルートを網羅する、ヨーロッパ最大の研究所間ドローン配送ネットワークを開発するという目標の実現に近づけるものでした。最近同社は、ドローン物流業界におけるイノベーションと商業化の促進を主な目的とした、無償の仮想エコシステムである ”Drone Logistics Ecosystem” に参加しました。

「将来的には、空域へのアクセス、衝突の解消、プラットフォーム間通信、リモート監視など、空域の共存を目指すことが私たちの仕事の中心的な課題となります。ドローン配送業界のDrone Logistics Ecosystemパートナーと協力することは、モバイル接続の改善といった複雑な障害へのアプローチに役立ちます。UASは地上オペレーターを不要にすることができ、規制において複数のドローンによる監視を可能にします」と、RigiTechのCEO兼共同創業者のAdam Klaptocz氏は述べています。

日本でも本格的に進んでいる目視外飛行「レベル4」。
ヨーロッパ初の管制空域内のBVLOS承認の事例を紹介しましたが、これを皮切りに世界中のBVLOSの認可が拡大していくことを期待したいです。自国内間輸送が自由になり、その次は世界中でドローン輸送が行き交うようなステージになることに期待です。

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