10月6日、オートバイや航空機、鉄道車両・船舶などの製造メーカーである川崎重工業株式会社(以下川崎重工)は北海道大樹町多目的航空公園において、無人コンパウンド・ヘリコプター「K-RACER」の飛行試験に成功したことを発表した。K-RACERは同社製モーターサイクル「Ninja H2R」が搭載された複合型ヘリコプターであり、Kawasaki Researching Autonomic Compound to Exceed Rotorcraftの頭文字を取って命名されたものだ。
コンパウンドヘリコプターとは、ヘリコプターの回転翼に加え、固定翼と補助推進装置が付与された機体のことを言う。回転翼の揚力によって垂直離着陸やホバリングを行い、固定翼の推進力で水平飛行を行なうことが可能だ。
川崎重工によると「K-RACER」は左右両舷の主翼、およびプロペラは水平飛行時(前進飛行時)にメイン・ローター(回転翼)の負担を減らすことができ、かつ従来のヘリコプターでは達成できない高速飛行が行えるコンセプトとなっている。
同社は、消防・防災やドクターヘリとして活躍するBK117ヘリコプターシリーズをはじめ、各種ヘリコプターの納入実績を数多く有しているが、今回の試験で得られた成果を、有人/無人のヘリコプターをはじめとしたVTOL(vertical take-off and landing /垂直離着陸機)機および各種サービスと連携した航空機運航システムの開発等に活用することを目指すとともに、将来VTOLシステムの実現も含め、今後も航空技術を通じて社会に貢献していくとしている。