株式会社自律制御システム研究所(以下ACSL)は1月23日、産業用小型ドローン「Mini」を発表した。「Mini」は同社の従来機より大幅に小型・軽量化されているほか、通信・センシングなどに関わる主要技術・モジュールを日本製としている。市場からの要望が多かった倉庫や工場、プラントなど屋内での点検作業に対応する。
Miniの特徴は以下4点だ。
①安心の国産ドローン
独自開発のフライトコントローラー「ACSL AP3」をはじめ、通信制御やセンシング、データ解析などに関する技術やモジュールは日本国内製であることにこだわった。データセキュリティ上の問題により、政府系機関が海外製ドローンの導入を控える動きが加速しており、そのことに対応したものと思われる。
②使い勝手の良い機体設計
カメラジンバルは機体の下と上に計3箇所装着できる。30倍ズームカメラ、APS-Cセンサーカメラ、サーモカメラなどペイロードのラインナップは幅広い。従来はプロペラをネジで止める仕様であったが、押して回すだけで脱着できるようになるなど、現場での作業効率向上を意識した。
③安全機能
屋内など非GPS環境下で機体自身が飛行しながら自己位置を推定したり周辺地図を作製したりする技術、Visual SLAM(ステレオカメラ)を採用したほか、前方カメラと6つのセンサーで上下、左右、前後の障害物を検知し、衝突回避を徹底した。屋外ではGPSを用いた運用に切り替えられる為、1機で屋内外に対応することが出来る。
④小型でのトップクラスのスペック
プロペラ回転域を含めた縦、横の寸法を70.4センチと、同社の主力機「PF-2」の117.3センチより4割の小型化を実現した。重量もバッテリー1本を搭載して3.15キロと、PF-2が飛行に必要なバッテリー2本搭載の7.7キロに比べて半分以下に軽量化させた。バッテリーも見直し、無積載であれば48分、カメラ、ジンバルを搭載しても最大33分と、トップクラスの継続飛行が可能だ。
<Miniの主な仕様>
全長(プロペラ含む) | 704mm |
高さ | 300mm |
重量(バッテリ1本含む) | 3.15kg |
プロポ | 2.4GHz |
データリンク | 920MHz |
オートパイロット | ACSL AP3 |
飛行速度 | 水平:10m/s(GPS環境下) 2m/s(非GPS環境下) 上昇下降:2m/s |
高度 | 150m(航空法上限) |
最大風圧抵抗 | 10m/s |
最大飛行時間 | 48分(ペイロード無し) 33分(カメラ・ジンバル搭載時) |
バッテリ容量 | 10,000mAh ×1 |
バッテリ公称電圧 | 22.2V |
バッテリタイプ | LiPo 65 |
製品の価格は80万円前後を予定(税別、オプション品含めず)。ブルーイノベーション株式会社が提供する複数デバイスを連携して遠隔制御する「ブルー・アース・プラットフォーム」とも連携し、ソリューションを提供する方針だ。
製品の詳細はこちら:https://www.acsl.co.jp/solutions/inspection-industrial-plant-gps-denied/