普段よく見るYoutubeにもドローンで撮影している映像が増えてきました。大空から捉える景色は地上から見るいつもの光景とは全くと違う新世界のようで視聴者を楽しませてくれます。以前はドローンの法整備が不十分だったものの、近年着実に整いつつあるため、知らずにドローンで法律違反を犯してしまう事例が後を絶ちません。中でも海外観光客が法律違反をしてしまうケースが多くみられています。そこで今回は自分たちが海外旅行でドローンを使用する際に注意すべき各国のドローン法について紹介します。
目次
ドローンって飛行機に持ち込めるのだろうか?
ドローンはリチウムイオン電池を搭載しているため、電源を切って状態だとPED(Personal Electronic Device:携帯電話、ノートパソコン、カメラなど)とみなされます。そのため機内に持ち込むことはできます。
しかし、ドローンに搭載されているバッテリーは、ショートや衝撃によって大量の熱を発生させる危険性があり、実際に事故も確認されています。そのためバッテリーの数などに制限があり、国によって細かな条件が異なります。
旅行でドローンを使用する際はまず航空会社にどのような規則があるのかを確認する事をお勧めします。
日本のドローンの法律は?
そもそも日本でドローンを使用する際の法律を確認していきましょう。
日本ではドローンの原則飛行禁止区域というものがあります。大きく分けて3種類になり
- 空港周辺
- 人家の集中地域
- 150m以上の上空
このような対象区域では国土交通省の許可がない限り飛行は禁じられています。
さらに飛行時にも規則があり、
- 危険物輸送の禁止
- 距離の確保
- 目視の範囲内
- 日中での飛行
- 催し場所での飛行禁止
- 物件投下の禁止
などの注意事項があります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
これを軸に海外でのドローンの法律がどういったものか比較していきましょう。
アメリカでのドローンの法律
米国の国家航空局である米国連邦航空局(FAA)によると、米国内でのドローンの飛行は合法ですが日本同様細かな規制があります。
日本からアメリカに渡航したような外国人は観光や仕事のどちらでも、FAADroneZoneポータルを使ってFAAにドローンを登録する必要があります。さらに米国内で飛行機に持ち込む際は手荷物でのみ可能になります。
アメリカではビジネス向けかによってドローン飛行時の注意事項が異なります。
趣味として利用する場合
- 趣味や娯楽のためだけに飛行が許可されているが、その他の利用は禁止
- FAADroneZoneのウェブサイトでFAAにUAVを登録の必要
- 見通しの良い場所で飛行
- コミュニティベースの安全ガイドラインに従う(例AMA)
- 地域団体の認定を受けていない場合は、55ポンド以下のドローンを飛行
- 航空機の近くでは絶対に飛行してはいけない
- クラスGの空域で飛行しなければなりません。その他の場合は申請が必要
- 緊急対応活動の近くでは絶対に飛行してはいけない
ビジネスとして利用する場合
- ビジネス目的で飛行するには、FAAが発行するリモートパイロット証明書が必要
- FAADroneZoneのウェブサイトでUAVをFAAに登録が必要
- 離陸時の重量は、ペイロードを含めて55ポンド以下
- クラスGの空域で飛行する
- 目視可能な範囲に保つ
- 400フィート以下で飛行
- 時速100マイル以下で飛行有人航空機に道を譲らなければなりません。
- 人口密度の低い地域を除き、走行中の車両からの飛行禁止
アメリカでドローンを使用する際の注意
アメリカでドローンを使用する際の注意事項をビジネスとプライベートの2パターンにて紹介してきました。使用する際はその州の規則に従うことが原則になるので、事前に確認する必要があります。またアメリカ国内でドローンを使用する際にリモートパイロット証明書が必要になりますが、その取得条件はいくつかあります。
- 英語を読み、話し、書き、理解することができること
- 小型UASを安全に操作できる心身の状態であること
- 16歳以上
- FAAが承認した知識テストセンターで航空知識テストに合格
- 米国運輸安全局(TSA)の保安検査を受ける
こういった条件をクリアし、法律を遵守したうえでドローンの飛行を堪能しましょう。
アメリカ連邦航空局(FAA):https://www.faa.gov/uas/getting_started/
日本のドローンの法律と比較するとアメリカのドローンの法律はビジネス向けと趣味向けと分かれていることが特徴といえます。それに伴い証明書の必要などが求められるためビジネスでドローンを利用する際は注意をしなくてはなりません。
イギリスでのドローンの法律
イギリスにおいてもドローンの使用は許可されています。しかし他の国とは違った規則があるので確認する必要があります。
まずドローンの操縦には登録が必要になり、
- ドローンを飛ばしたい人はフライヤーIDを取得するために理論テストの合格
- ドローンまたは模型飛行機の責任者は、オペレーターIDを取得するために登録
登録に関する詳細はこちらで確認できます。
イギリス民間航空局(CAA):https://register-drones.caa.co.uk/individual
次にドローンのフライトは、公共およびその他の空域ユーザーにもたらすリスクのレベルに応じて3種類のカテゴリに分類されます。
- OPEN:他へのリスクが低いUASオペレーション–さらに3つのサブカテゴリ(A1、A2、A3)に分割されます。(主にドローン愛好家や娯楽目的での使用および一部の商業目的での使用)
- SPECIFIC:より複雑なUASオペレーション、またはオープンカテゴリに該当しないUASオペレーション。(主に商用利用およびモデル飛行クラブの認可の下で運航するフライト)
- CERTIFIED:「有人」航空と同じ高リスクを示すUAS操作
なかでもCERTIFIEDは複雑な規則になっており、細かな条件確認をしなくてはなりません。
今回はopenカテゴリーに注目をして紐解いていきます。
openカテゴリーのドローンは以下の制限をかけられます。
- ドローンの離陸質量が25kg以下
- 人が集まっている場所の上空を飛行してはならない
- 飛行中は常にドローンとその周辺空域の直接かつ単独のVLOSを維持
- 適切な許可を得ずに、保護飛行場の飛行制限区域(FRZ)内、またはその他の制限空域で飛行禁止
- パイロットは飛行に適した状態でなければならず、飲酒、薬物、負傷、疲労、投薬、病気、その他の原因がある場合は操縦禁止
- 離陸前に、パイロットが安全に飛行を完了できる状態であること
- 担当の救急隊員の許可を得ずに、緊急対応が行われている場所の近くや内部でドローンを飛行禁止
さらに、ドローンが属するサブカテゴリーで飛行しているかによって、さらなる条件や制限が適用されます。
日本のドローンの法律と比べるとドローンのカテゴリーを区分するなどの特徴がみられます。基本的な規則は日本と同様なものの、ドローンのカテゴリーをしっかりと把握しておく必要があります。
ビジネス用のドローンの使用を検討してい際などは事前に各地域の警察や民間航空団体に確認をしましょう。
まとめ
今回は各国のドローンの法律を紹介してきました。日本でドローンの違反件数の多くは海外の観光客が原因と報告されています。同様に私たちが海外でドローンを使用する際、違反にならないように気を付けなくてはなりません。素敵な景色を存分に撮影するためにも事前の調査は抜かりなく行いましょう。