11月25日、杉並区立杉並第七小学校にて、“防災”をテーマとした子供向けのドローン教室が開催された。
本教室は、杉並第七小学校の保護者会『おやじの会』が毎年行う、子供達に楽しみながら様々な経験をしてもらう泊り込みイベント『杉七キャンプdeお泊り会』の一環として行われた。
ドローン教室を行ったのは、渋谷区にてドローン関連サービスを行うReVision株式会社(以下、リヴィジョン)。株式会社日立製作所(以下、日立)のエンジニアと協力し、日立のAIサーバーを活用した、子供向けとは言えど最新技術がふんだんに盛り込まれた内容となっており、保護者の顔からも笑顔がこぼれた。
『災害に強いまちづくりと住環境の向上』を目指す杉並区
杉並区は、東京23区内の中でも、老朽化した木造住宅が密集した地域を多く抱える区となっている。それもあり、住宅密集市街地総合整備事業、木造住宅密集地域整備事業、木密地域不燃化10年プロジェクトに基づく事業など、災害が起きても被害を最小限に抑える取り組みに力を入れるなど、防災意識が高い。
ドローンは既に、地震や水害が起きた際、被害状況の把握に使われているが、一般にはその活躍は浸透していない。将来的に、災害時に当たり前のようにドローンが活躍する時代は間違いなく訪れるため、早いうちから親近感を持ってもらい、リテラシーを高めてもらいたいという思いから、防災意識の高い杉並区に住む子供達を対象に教室を開くこととなった。
ドローン教室の内容
「ドローンとは何なのか?」というテーマからスタートした教室は、写真や実際の動画を使ったものとなっており、子供達の反応は勿論、大人たちの興味も惹き付けた様子で、会場から明るい声が飛び交う賑やかなものとなった。
ドローンを防災に
今回は事前に撮影した映像を前もって解析したものを上映したが、日立のエンジニア達は「今のドローンの画質、安定性であれば、現地で解析してリアルタイムで映像を見る事は可能。」と、ドローンの可能性を更に感じさせた。
ドローン登場
ドローンが撮影している映像は、子供達の目の前に設置された大型モニターへリアルタイムで映し出されるようになっており、ウルトラマンの高さや、シン・ゴジラの高さで映し出された、自分達が生活している街の風景は、子供達の関心を大きく惹くものとなったようだ。
ドローンの更なる可能性を追求、発信
初めての“先生”を経験したリヴィジョンの三代代表取締役は、今回のドローン教室を終え次のように述べている。
『いい意味でも悪い意味でも何かと世間を騒がしているドローンですが、噂でなく実際のドローンを見て・聞いて、生徒やお父さんお母さんに正しく知って貰いたいと思い今回のデモ実施要請をお受けしました。今後更に自治体との連携を強め、災害時・緊急時・防犯・点検など、あらゆる分野で「ドローン×画像解析」の活用を杉並区と共に発信していきたいと考えています。』
しかし、いくら技術が進化したとしても、世間の理解が無いことには、業界の成長はどこかで頭打ちになってしまう。
そこで大事なことは、恐がられているからと世間と距離を置くのではなく、逆にドローンを知らない一般の人々に歩み寄り、ドローンがどのようなもので、どのような可能性があるのかを理解してもらう努力をすることだろう。
今回のドローン教室参加者は子供も大人も皆笑顔だった。このようなイベントを地道に行うことは、間違いなくドローン業界の発展に繋がっていくはずだ。