無人ヘリコプターで朝獲れ鮮魚を東京に運べ!

離島の朝獲れ鮮魚を、その日のうちに首都圏へ
長崎県の離島で水揚げされた朝獲れの鮮魚を、その日のうちに首都圏の飲食店で近々楽しめるようになるかも??

産業用無人ヘリコプター(以下・無人ヘリ)による目視外飛行と、陸送およびJAL定期便を連携させ、高級魚クエなど約20kgの海産物を上五島町から都内のレストランに届けました。
離島と首都圏を結んだJALによる貨物輸送実験の様子

上五島空港と九州本島(西海市)間35kmの輸送を担ったのは、ヤマハ発動機社の製産業用無人ヘリ「FAZER R G2」。
離陸及び着陸の操作は現地で行ったものの、海上フライト中は衛星通信を経由して静岡県浜松市のヤマハ発動機社の事業所から遠隔操作。事前にプログラムされた航行ルートを高度100mで飛行しながら、機体から発信されるデータや映像を基にオペレーションを行い、計画した約40分間で輸送を完了しました。
「前日に実施した上五島空港と小値賀空港間の往復飛行では、航行ルート上で操業していた漁船に配慮して小さな迂回を行いましたが、天候も安定していて、それ以外はすべて計画どおりの航行でした」(ヤマハ発動機社のUMS統括部・坂本修さん)
広大な山岳地帯の森林計測・解析にも当社では、2011年に発生した東日本大震災を大きな契機として、衛星通信による無人ヘリの自動航行技術の開発に取り組んできました。
衛星通信を用いることで、直接通信では届かない広範囲の運行を実現し、以来、防災や産業に関わる測量・監視など、さまざまなソリューション分野で実績を積み上げています。
「衛星通信による自動航行技術は、概ね確立していると言えます。この技術をさらに広い社会課題の解決へと結びつけていくためには、一つの方向性として運搬できる重量やサイズを拡大していくということが挙げられます」(同)。

米国の見本市「CES 2019」に出展した次世代産業用無人ヘリもそうした提案の一つ。

機体の大型化を図り、現行モデルの2倍となる70㎏まで積載能力を拡大したコンセプトモデルです。

一方、新たなニーズによる新たなサービスも始まっています。ヤマハ発動機社が開始した「森林計測サービス」(https://www.yamaha-motor.co.jp/ums/forest/)は、広大な森林地帯を無人ヘリを使って計測・解析するソリューション。

昨年5月、森林経営管理法の成立により森林管理が義務化されたことからニーズの高まりが予想され、同時に林業のスマート化に向けた基礎情報としての活用も期待されています。
衛星通信を活用することで、ますます広がるヤマハ発動機社の無人ソリューション。ぜひご期待ください。