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日立ソリューションズ、「DatuBIM」の国内提供を開始。ドローンとAIで現場のデジタル化を促進

ドローンプレス 建設現場

株式会社日立ソリューションズは、Datumate Ltd.(ダチュメイト社、本社:イスラエル)と日本国内初となる販売代理店契約を締結し、ドローン測量によるクラウド型施工進捗管理プラットフォーム「DatuBIM」を2022年5月18日(水)から販売開始しました。
「DatuBIM」を用いることで、ドローンをはじめとしたUAV(Unmanned Aerial Vehicle)で撮影した土木工事現場の画像から3Dデータを自動生成、撮影映像から地形、盛土の計測やデータの管理・分析や共有をクラウド上で行うことが可能となり、現場のデジタル化の促進に繋がるとしています。

遠隔地の状況を詳細かつ迅速に把握できることを確認

ドローン測量は従来測量手法と比べて作業時間を大幅に削減できるだけでなく、重機が稼働する地上での作業も減らせることから、生産性・安全性の両方を大幅に向上できる測量手法として期待が寄せられています。

「DatuBIM」はドローン測量による施工進捗管理クラウドサービスとして、撮影画像からダチュメイト社独自のAI(人工知能)技術で3次元データを自動生成します。データを時系列で管理し、地形の断面や盛土体積などの計測、設計図面との比較分析も行うことで、工事の進捗管理の効率向上を支援。現場のニーズの高いCADデータの取り込みにも対応可能です。

生成されたデータはクラウド上で管理・共有されます。Webブラウザ上で直感的に操作できるユーザインタフェースが用意されているため、初心者でも簡単に操作し、いつでもどこからでも現場の状況を把握することが可能となっています。

「DatuBIM」の活用により、プロジェクトオーナーおよび施工管理会社は、土木工事現場のデジタル化を促進、3次元データによる施工計画から実行、保守までの進捗管理の効率化を実現することができ、人手による測量方法による管理と比較して作業時間と作業コストを大きく削減することができるとしています。

取得データをリアルタイムで管理し、迅速な情報共有を実現

建設・土木工事現場では、若年層の労働者不足対策が課題となっており、現場に積極的にデジタル技術(建設テック)を導入し、働き方改革や生産性向上に取り組む動きが加速しています。その中で、従来の手法では、地上を移動して測量するため、多くの手間や人員、期間を費やすため、省力化が課題となっています。

2016年9月に行われた「未来投資会議」では、建設現場の生産性を2025年度までに2割向上を目指すことが指示されており、これに向けても橋梁・トンネル・ダムなどの工種に加え維持管理を含む全てのプロセスにおけるICT活用が推進されています。

また国土交通省では、2017年6月に生産性革命「前進の年」と位置付け、建設生産プロセスの各段階での3次元データの利活用方法等及び今後の3次元データ利活用に向けた取組みを示した「3次元データ利活用方針」を策定。建設現場の生産性向上に向けて建設生産プロセスの各段階で3次元データやICT等を活用する「i-Construction」を重要施策として取り組みを開始しています。

2017年11月には、産学官連携の体制により、公共工事の3次元データ活用拡大のため「3次元データ利活用方針」が策定されています。この利活用方針では、測量・調査、設計、施工、維持管理の各段階での3次元データの利活用方法等を具体的に示すとともに、3次元データの効率的な利活用に向けたシステム構築などの重要な取組み、推進体制や今後のスケジュールなどについてまとめられています。

こうした背景もあり、土木工事の測量・調査から設計、施工、検査、維持管理・更新の全工程で3次元データ活用の推進が日々加速しており、ドローン測量および3次元データによる施工進捗管理のニーズも高まっています。

日立ソリューションズでは、ICT施工を支援するソリューションを体系化した「建設業向けソリューション」を展開しており、今回「DatuBIM」の提供による土木工事現場のデジタル化促進に加え、360度画像を活用した建設工事現場のデジタル化など、建設業界のニーズに幅広く対応していくとしています。

DatuBIM」の特長

<誰でも簡単に活用ができる>

直感的でわかりやすい操作性かつ、3次元化からデータ分析までのすべての機能をWebブラウザから利用できるため、簡単にドローン測量を始めることができます。複雑な専門知識は不要なので、誰でも均質な測量結果を得ることができます。

<ドローンによる撮影画像から3次元データをAIで自動生成>

「DatuBIM」では、ドローンで撮影した土木工事現場の撮影画像をクラウド上にアップロードし、3次元化する対象範囲を指定して、マーカー(標定点、検証点)を設定すると、独自のAIアルゴリズムが、高速に3次元データ(3D点群/3Dメッシュモデル/オルソ画像など)を自動生成します。重なりのある複数視点からの画像を用いて3Dモデルを生成するため、撮影画像の重複(オーバーラップ)の過不足に対してアラートが表示されます。また、目的の場所にマーカーで位置の指定を行う際はガイドが表示されるため、初心者でもWebブラウザ上で簡単に操作することができます。

<遠隔地からも現場状況の把握ができ、クラウドサービスの活用で関係者とスムーズな情報共有を実現>

土木工事現場の3次元データ化により、遠隔地からも現場の状況を容易に一目で把握することができます。データはクラウド上で管理されているため、工事関係者との情報共有もスムーズに行うことができます。

<進捗管理や土量管理を大幅に効率化>

工事の進捗管理や土量配分計画のために必要な日々の測量は、ドローンを活用することで、3次元データとして時系列に管理することができるようになり、従来の人手による測量手法と比べて作業日数やコストを削減することが可能となります。また、過去のデータや設計図面との比較、体積や断面などの計測、土量の切り盛り計算も容易になります。設計データとの差を管理することで、手戻りを防ぎ、コストを低減することもできます。

「DatuBIM」の主な機能と利用シーン

<主な機能>
・ドローン撮影画像の3次元化:ドローンで空撮した画像をWebブラウザからクラウドへアップロードするだけで、自動で3次元データ(3D点群、オルソ画像など)を作成します。撮影時にGCP(標定点、検証点)を設置していた場合は、GCPの座標データや位置もWebブラウザ上で指定することができます。

・3次元データの時系列管理:作成した3次元データは地図上で時系列管理されているため、現場がいつ・どのような状況であったのかを一目で確認することができます。画面を左右に分割して、時系列比較表示することも可能です。

・距離、面積、体積、断面などの計測:作成した3次元データを用いて、距離、面積、体積、断面など、さまざまな計測を行うことができます。計測結果はクラウド上に保存できるだけでなく、レポートとして出力することも可能です。

・設計データとの比較分析:CAD設計データ(DXF形式、XML形式などに対応)をインポートし3次元データ上に重ね合わせて表示したり、体積や断面を設計データと比較分析したりすることが可能です。

<主な利用想定シーン>
・ビル、工場、高層施設などの警備監視業務
・津波、雪崩などの災害対策・定点観測
・鉄塔、陸橋、ダムなどの定期点検業務
・山間部、高所、災害危険地域などにおける業務
・ドローンを操縦するオペレーターの配備が困難なシーンにおける業務

「DatuBIM」販売概要

◇販売開始時期 2022年5月18日
◇販売価格(税込): 649,000~円/年
※標準機能を利用できるライセンス、3次元化画像利用数1万枚まで
※ライセンスの詳細については、要問合せ
◇問合せ先:https://www.hitachi-solutions.co.jp/inquiry/products/form/?id=datubim

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