国産産業用ドローンの研究開発・製造メーカーである株式会社自律制御システム研究所(以下ACSL)は1月13日、風力発電設備の点検・解析・補修などを事業とするアルビト株式会社と共同で、風力発電機点検におけるAI×国産ドローン×専門家のトータルソリューションの提供を開始することを発表した。
同社によると風力発電機は安全に運用していくために損傷部分の確認等の定期的な点検が必要がとされているが、地上からの撮影では角度によって状態を確認しづらいという課題があった。またブレードすべての撮影を行うには風力発電機を一旦停止し、ブレードの角度を変えながら撮影する必要があり、1基撮影するのに数時間程度の時間を要することや、実際に作業員が風力発電機に上って作業を行う場合もあり、高所作業による点検コストの高騰や安全面での課題もあげられていた。
これら課題があることからドローンを活用した点検画像撮影のニーズが高まっているが、風力発電設備は一般的に風の強い場所に設置されており、ドローンをうまく操縦できない、点検に使える精度の画像が撮影できない、大量の点検画像を撮影できたがその後の解析に時間がかかるなどの問題も発生していた。
このような問題を解決すべく、ACSLの自律飛行可能な国産ドローンACSL-PF2と、アルビトのAIによる点検画像解析及び専門家によるチェックを実施した点検レポート作成等のサービスを組み合わせ、風力発電機におけるAI×国産ドローン×専門家トータルソリューションの提供をすることに至った。
使用される機体である「ACSL-PF2」の仕様は以下の通りである。
ACSL-PF2(風力発電機点検仕様)基本スペック | |
飛行速度水平 | 10 m/s(GPS環境下) |
最大風圧抵抗 | 20 m/s |
最大飛行時間 | 29分 ※ペイロードなし |
ペイロード | 2.75kg |
使用温度範囲 | 0~40 ℃ |
防塵防水 | IP54 ※キャップ装着時 |
ACSLは当サービスの提供により、風力発電機点検の大幅な作業時間短縮と点検精度向上を実現したいとしている。