GPS要らず!画像認識で自律飛行を行うドローンを開発。

大脳

株式会社自律制御システム研究所(ACSL)は、米NVIDIA(エヌビディア)社の最先端GPUを搭載した組み込みプラットフォーム、NVIDIA  Jetsonを採用し、産業用においては世界初となる、画像認識を搭載した非GPS自律制御ドローンを開発したと発表しました。この技術によって、インフラメンテナンス分野での点検効率化・自動化が加速することが期待されます。

非GPS自律制御ドローンで何が変わるのか

画像認識によって、障害物、目標構造物からの距離を自動認識し、自律飛行が可能となったことで、室内外を問わず、複雑な3次元構造物に沿って自動で飛ぶ事が可能になります。これによって、様々な環境でドローンの自律飛行化が進んでいくことになります。

従来のGPS位置センサーの問題を解決

これまでのドローンに搭載されていた、GPS位置センサーをもとに飛行経路や飛行姿勢の制御を行う自律制御システムは、生物で言うところの「小脳(平衡・筋緊張・随意筋運動の調節など)」に該当するものでした。
しかし、今回のACSLの技術は、目の機能およびそれを処理する「大脳」の機能を産業用ドローンに組み込んだということになります。つまり、衛星の信号が届かずGPS が機能しない室内・橋梁・トンネル等の構造物の下では、これまで人のマニュアル操縦で飛行していたものが、この技術によって自律飛行が可能になったということになります。

インフラメンテナンス市場

現在のインフラメンテナンス市場は、世界200兆円、国内5兆円と言われているなか、国内では下水道菅・橋梁・トンネルなどをはじめ、多くの老朽化したインフ ラの維持管理の経済負担と人手不足が課題となっています。
そのため、先に述べたように、人の業務を補完でき、点検効率化・自動化が実現可能な技術が求められています。

ACSLの技術でインフラメンテナンス市場はどうなるか

非GPS自律制御ドローンが開発されたということは、ラジコン技術の延長として普及してきたこれまでのGPS 搭載ドローンでは対象となりえなかった、水道管・地下坑道・タンク内・煙突・線路・船舶内など、殆どの点検分野において保守点検に対応できることになります。
今回発表されたこの技術により、これまで業界全体としても手探り状態で、『完全』とは言い難かったドローンによる保守点検が一気に進化し、普及するきっかけになるのではないでしょうか。

コメントを残す

*

CAPTCHA