近年建設業界がドローン市場に参入する例は増えてきたが、自動車業界のデンソーがラジコンヘリコプターの開発・製造を行うヒロボーと最高水準のドローンを開発し、ドローン市場に参入すると2016年の4月に発表しています。当面は道路や橋梁等のインフラ点検の市場を開拓していく模様です。
インフラの点検は今後、道路・橋・トンネルなど構造物の老朽化が進むとされているため、2018年からは国が主導し計画的な点検を行うことが予定されています。
しかし、多くの需要が予想される一方、点検・検査の技術者が人手不足のため、ドローンによる作業負担の軽減や時間の短縮が必須とされています。
2社のこれまでのノウハウが活かされたドローン
ドローンによる点検の際、安定した画像を撮影する必要があるため、強風や気流が乱れている中でも高い定位性と運動性が求められます。
今回開発されたドローンは以下のようにインフラ点検で求められる3つの性能を兼ね備えています。
・強風や雨中でも飛行できる対候性。
・構造物に最大60センチメートルまで近接し、デンソーのノウハウが活かされた制御システムにより定位の姿勢を維持する安定性。
・安全制御システムで運用できる安全性。
このような高性能な機体を開発できたのは、デンソーが培ってきたセンサーおよび制御のエレクトロニクス技術と、ラジコンヘリコプターの開発・製造で長年の実績があるヒロボーの機体開発技術あってこそだったのではないでしょうか。
実際に今回紹介したデンソーのドローンが実際に点検をしている動画を見ていただきたいと思います。
ドローンはラジコンヘリコプターと比べ遥かに安定しているとはいえ、この動画の距離まで接近し、その距離を保ちながら点検を続けるのは難しいため、制御システムとセンサー類の高性能さを窺うことができます。