Liberawareが開発する小型ドローンの可能性
Liberawareは、ハードウェア・ソフトウェアのプロフェッショナルが集まり、産業分野に特化した小型ドローンの開発を行う2016年に創業したスタートアップ企業です。
特に、小型ドローンを床下や天井裏・配管路など、従来型ドローンの位置特定に必要なGPS(衛星測位システム)が取得できない場所において活用するニーズは高いため、非GPS環境に対応した小型ドローンの開発に着手し、自己位置推定を可能にするSLAM 技術と、ロバスト性に優れた小型ドローンの開発を行い、成功させました。
同社が開発する小型産業用ドローンによって、これまで人の手によって行われていた狭所空間の点検業務における工数の削減や、作業者の精神的負担を軽減することが期待されるため、日本が抱える喫緊の課題である、少子高齢化社会による労働者不足の解決を助けるソリューションとなるかもしれません。
SLAM技術とは
SLAMとは、Simultaneously Localization and Mappingの略で、センサーから取得した情報から、自己位置の推定と周辺の地図作成を同時に行う技術です。ドローン機体の水平及び垂直方向にレーザーを発し、スキャンすることで、周辺地図を3Dマッピング化することができます。
このSLAM技術によって相対的に自己位置を推定することで、障害物を避けて自律飛行することが可能となります。
ロバスト性とは
ロバスト性とは、機械やシステムに備わっている外乱に対する強さや性質です。ドローンが外乱を受けても挙動が安定していたり、何らかの冗長度によって外部からの影響を排したり、影響を最小限に抑えたりする強さや性質を指します。
ロバスト性に優れたドローンを開発することで、非GPS環境におけるドローン飛行における安定性を高め、外部からの影響トラブルを軽減することが可能となります。
まとめ
自己位置推定を可能にする産業用小型ドローンを開発することで、狭所空間かつ、非GPS環境化における、ドローンを用いたインフラ点検作業の安全、安定化が可能になります。
今回のDrone Fund、ORSO、Aerial Lab Industriesからの資金調達を通じて、さらなる産業向け小型ドローンの開発と、関連するソフトウェアの開発を行うことで、技術革新を推進することに期待したいです。