テラドローン、従来の1/3の工数で3万枚のソーラーパネル点検

テラドローン株式会社(以下テラドローン)は赤外線カメラ搭載ドローンを用いて、株式会社Looop(以下Looop )の茨城県水戸市にある、春の木ソーラー発電所の太陽光パネルの点検を行いました。Looopにとって、パネルの点検に赤外線搭載ドローンを用いたのは今回が初めての試みです。

ドローンによる点検が増えている背景

太陽光パネルの点検を赤外線カメラ搭載のドローンで行うというのは、最近よく耳にするようになって来ました。
今回のLooopとテラドローンの例も同様ですが、ドローンによる点検が選ばれるのには、以下のような2点の理由があります。

  1. O&M(メンテナンス)の義務化。
  2. 従来の点検方法と比較すると、費用、工数が格段に少なく済む。

O&M(メンテナンス)の義務化

『O&M(メンテナンス)の義務化』は、比較的最近出てきたものです。
2017年4月に再生可能エネルギー特別措置法の改正が行われ、新たな固定価格買取制度(太陽光や風力などの再生可能エネルギーの普及を図るため、電力会社に再エネで発電された電気を一定期間、固定価格で買い取ることを義務づけた制度。)が制定されました。変更点が5つあった内の1つにO&M(メンテナンス)を義務化するというものが入っていたため、これまで以上に太陽光パネル点検の需要は拡大しました。

費用、工数が格段に少なく済む

春の木ソーラー発電所は、出力8.8MW、敷地面積は約15万平米で、その中に30,000枚を超える太陽光パネルが並んでいます。
これまでLooopが行っていた点検方法は、点検作業者が携帯型の赤外線カメラを持ち歩き、パネル1枚1枚を撮影しており、言うまでも無く、作業に膨大な時間を要する上に、欠陥を持つパネルをすべて正確に検出することが困難でした。
一方、赤外線カメラ搭載ドローンを使った点検は、広範囲の調査を一度に行うことができ費用の削減や調査時間の大幅な短縮ができます。

実際にドローンを用いて得られた成果

テラドローンは、既にこの分野で多数の実績とノウハウを持っていたため、春の木ソーラー発電所のパネル定期点検を実施することになりました。

点検を実施した結果、従来の方法では、点検に12人日かかっていた点検が、今回のドローンによる赤外線カメラ点検では、工数を4人日まで削減することができ、作業工数を3分の1まで短縮することが可能となりました。

また、精度面においても、事前に従来の手法でクラスタ落ち・ホットスポットが発見されていた場所をほぼ検出することができ、新たなホットスポットの発見も行うことができています。

ホットスポット

同じ赤外線カメラによる点検でも制度が異なる理由

人が点検を行った場合、脚立などを使わない限り、パネル全面を同じ角度で撮影することは困難です。しかし、ドローンであれば空から角度を変えながら適切な角度を保った撮影ができ、またパネル表面の赤外線の反射も避けることができるため、より正確な点検を行うことができます。

更に、人手による点検では、パネル1枚ごとに不具合を生じた可能性のあるパネルの位置をマニュアルで記入するため異常個所の位置ずれが生じてしまいますが、ドローンによる点検では、映像を基に位置の特定ができることから、マッピングの正確性も向上します。

発見されたホットスポットは、後日Looopにおいて点検を実施し、その全ての箇所で点検結果どおり異常が検出されたとしています。

今後、太陽光パネルの点検だけではなく、あらゆるシーンでドローンが当たり前に活用される時代になっていくでしょう。

 

画像提供元
テラドローン:https://www.terra-drone.net/blog/solarpanels/

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