NTTコミュニケーションズ株式会社（以下 NTT Com）は、福島県昭和村で自律飛行型ドローン「Skydio X10」を活用した夜間人物探索の実証実験に成功しました。この実証実験は、夜間自律飛行機能とサーマルカメラを用いて、困難な環境下でも人物探索が可能であることを確認しました。また、「Starlink Business」を利用することで電波の不感地帯からも遠隔地への映像伝送が可能となり、リアルタイムでの迅速な状況把握を実現しました。
今回の実証の背景
災害時の人命救助では「72時間の壁」と呼ばれるように、被災後3日以内に救助することが非常に重要です。特に山岳遭難では装備が不十分な場合が多く、夜間の気温低下により生存率が低下するリスクが高まります。これらの課題に対し、ドローンを活用して安全かつ迅速な捜索活動の効果検証を行いました。
米国ではドローンによる人物探索がDFR（Drone as First Responder）と呼ばれ、広く活用されています。今回の実証実験は、日本で初めて「Skydio X10」を用いたDFRユースケースです。NTT Comは、Skydio認定のDFR Program Managerを擁し、ドローンを活用したDFRプログラムの構築をサポートしています。
夜間人物探索の実証実験の概要
1.「Skydio X10」による夜間自律飛行
「Skydio X10」は夜間の自律飛行に対応しており、夜間でも安全に人物探索を継続できることが確認されました。
2.サーマルカメラとスポットライトを用いた温度検知と人物確認
サーマルカメラにより温度検知が可能となり、夜間や障害物が多い環境でも効率的に人物の確認ができました。スポットライトを用いることで上空90mから地上の人物を確認することもできました。
3.「Starlink Business」による映像伝送
「Starlink Business」を活用することで、電波不感地帯から遠隔地へ映像をリアルタイムで伝送し、迅速かつ安全な状況把握が実現しました。
4.「Skydio X10」が認識した位置情報をもとにした捜索（昼間）
「Skydio X10」が記録した緯度経度情報をもとに、約40分で広範囲の森林で探索対象者に到達することができました。
【本実証の様子(動画)】https://www.youtube.com/watch?v=OFhvEp0vQ-w
【本実証の様子(動画)】https://www.youtube.com/watch?v=OFhvEp0vQ-w
今後の展開
NTT Comは、本実証実験の結果をもとに、自律飛行型ドローン「Skydio X10」を活用した夜間人物探索の導入を目指します。また、同様の課題を抱える自治体や災害対策機関への展開を検討しています。
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