3月16日、三井不動産レジデンシャル株式会社、野村不動産株式会社、三菱地所レジデンス株式会社、伊藤忠都市 開発株式会社、東方地所株式会社、株式会社富士見地所、袖ヶ浦興業株式会社の7 社は、国家戦略特区認定エリアである「幕張新都心若葉住宅地区」において、住宅に加 えオフィス・商業施設をはじめとする複合機能を備えた街づくり『(仮称)幕張ベイタワー ズプロジェクト』を始動すると発表しました。
本プロジェクトは、10年以上に渡って総面積17万5,809m²の8区画に約4,500戸の住宅機能を整備し、約1万人が暮らす街を開発し、ドローンによる宅配も検討されるとあって注目を集めています。
目次
プロジェクトの概要
幕張ベイタワーズプロジェクトが目指すのは、多様化するライフスタイルに対応した、未来志向の新しい暮らし方を提案・応援する “ライフ・ イノベーション・タウン” です。その言葉の通り、生活を便利にする複合機能は勿論、ドローンを含むICT の活用による次世代の生活インフラまでもがプロジェクトの検討案に盛り込まれています。
プロジェクトの特徴として、以下の4点が挙げられます。
1.「全米一住みたい街」ポートランドをモデルにした、新しい“豊かさ”を実現する街づくり
プロジェクトのモデルはオレゴン州ポートランド。「全米一住みたい街」と言われるポートランドは、地域コミュニティ や自然への繋がりを重んじており、大都市か らの移住者が絶えない街として知られています。それに倣い、今回のプロジェクトは先進的な取り組みの舞台となる国家戦略特区認定エリアならではの特徴も最大限に活かしつつ、様々な社会的ニーズに応える街づくりを推進していきます。
2.ミクストユース(様々な用途の空間を混在させ、相乗効果を狙う開発手法)の街づくりによる「街の賑わい」醸成
「街の賑わい」というソフト面を充実させるため、「商業エリア」と「コミュニティエリア」の2 つの主要エリア を計画。この2 つのエリアで職・住・学・遊の各要素が街全体として機能し、多世代 交流を可能にする“人が集まる都市”をデザインしていきます。
3.「全米一の設計事務所」が提案する、地域特性を活かした「コミュニティ形成」を促す街づくり
街づくりのコンサルタントとして、コミュニティ形成を後押しして地域の繋がりや愛着を深 めることを目指し、ポートランドを拠点に同市の街づくりに 長年携わってきた設計事務所・ZGF アーキテクツを招き、街づくり の「デザインガイドライン」は建築家・光井純氏監修のもと制定。都心からのアクセスも良好で、レジャーも手軽に楽しめるため、アクティブなライフスタイルに共感する人々が集う街としてコミュニティ活性を促します。
4.国家戦略特区としてドローン活用などの「次世代の生活インフラ」構築の推進
千葉市は、国家戦略特区に指定され、幕張新都心を中核とする近未来技術を活用した街づくりを目指しており、様々な先端技術の実践活用を検討している。今回のプロジェクトエリア内での生活必需品や医薬品の「ドローン宅配」や、幕張新都心内の公道(車 道・歩道)を利用した「自動運転モビリティ」運行サービ スはその代表例で、官民共同での実証実験は既に開始されています。
千葉市が提案しているドローン宅配
国内で今最もドローン関連の動きで走っている自治体は千葉市です。ドローンによる宅配の実証実験も、ドローン開発の第一人者である㈱自律制御システム研究所の代表取締役社長でもある千葉大の野波特別教授や、NTTドコモ、楽天といった面々と協力して行い見事に成功させています。
今回発表された『幕張ベイタワー ズプロジェクト』で検討されるドローン宅配は、千葉市が既に発表しているドローン宅配の提案内容に沿って検討されると考えられるため、それが具体的にどのようなイメージの物なのか見ていきましょう。
水平的取り組み
幕張新都心に近接する東京湾臨海部の物流倉庫から、ドローンにより海上(約10km)や花見川の上空を飛行し新都心内の集積所まで運び、住宅地区内のマンション各戸への宅配を行う。
垂直的取り組み
・幕張新都心若葉住宅地区内の店舗からも、ドローンにより超高層マンションの各戸へ薬品など生活必需品の宅配を行う。
・ドローンによる不審者・侵入者に対するセキュリティサービスを行う。
処方医薬品や要指導医薬品のドローンによる宅配
幕張新都心内において遠隔での診療及び服薬指導を行い、地区内の薬局からドローンによる医療用医薬品(処方箋を必要とする医薬品)や、要指導医薬品(薬剤師の指導が必要な医薬品)の配達を行う。
世界的な都市へ
ここ1~2年の千葉市は、国家戦略特区ということもあって、ドローンや自動運転モビリティなどのいかにも未来的で無機質な物に対する動きが活発でした。
しかし、今回発表された『(仮称)幕張ベイタワー ズプロジェクト』はむしろ、「自然との繋がり」「人の繋がり」「街の賑わい」といったソフト面を重視した、所謂従来の『街づくり』とは違う角度から街を発展させようとする内容です。
あくまでも先進技術は、人々の生活を便利で快適にするためのツールでしかありません。そのツールが人々の多様化した生活を当たり前のように支える社会が動き出した時に、千葉市は世界で賞賛されるような都市になるかもしれません。
画像・情報掲載元:三井不動産ニュースリリース http://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2017/index.html
千葉市 https://www.city.chiba.jp/sogoseisaku/sogoseisaku/makuhari/tokku_index.html