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DJIがビーチを護る。オーストラリアで捜索救難活動を支援

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DJIは、オーストラリアのSurf Life Saving Central Coast (SLSCC)と共同で、オーストラリアのビーチにおける捜索救難活動をドローンで支援すると発表しています。

DJIとSLSCCは、6ヶ月間の準備期間を経て、DJIの空撮プラットフォームとSLSCCの捜索救難手順の統合を開始しています。主な捜索救難手順には、以下のようなものがあります。

ライフセーバーには、瞬時に意思決定を行うための信頼できるシステムが必要なため、彼らがより効率的かつ安全に活動が行えるようDJIのドローンを活用します。

上空からの映像で状況確認と捜索を効率化

従来は、海水浴客の近くである、海岸に非常に近い場所でしかサメを発見することができず、発見後はサメが本当にいなくなったのかを確認する手段はなかったため、ビーチを30分間閉鎖するという手段しかとっていませんでした。しかし、ドローンを使えば、サメをより早く効率的に見つけることができ、隊員は安全に現場の状況を確認できるようになります。

ドローンによる空撮はサメの監視だけでなく、海や岩石の岬で行方不明になっている海水浴客や漁師の捜索や救援活動に重要な情報を提供するのに役立ちます。DJIが山岳地帯で行った調査によれば、1平方キロメートル内にいる人物をドローンは20分以内に発見することができます。これは、従来の捜索方法と比較すると5倍の早さで、岩石の多い海岸線でも同様の結果が得られると予想されています。

DJIのCaroline Briggert氏は「DJIは、世界中の捜索救難隊と緊密に協力し、時間的な制約があり、また危険な状況下でドローンがどのように現場で活用できるかを特定しています。世界有数の捜索救難隊がいるオーストラリアで、ドローンを活用し海水浴客やサーファーの安全を守る活動をSLSCCと共にできることをとても誇りに思っています」と述べています。

今後更に期待されるドローンによる捜索救難活動

DJIによるドローンを活用した人命救助の研究では、全世界で少なくとも59名の人命救助が確認されています。また、ドローンが捜索救難活動で重要な役割を果たしている事例の多くは、ここ10ヶ月間で報告されていることから、今後のより広範囲なドローン利用により、ドローンが捜索救難活動に貢献できる大きな可能性を示しています。

捜索救難用ソリューションDroneSAR

また、DJIは2016年11月に捜索救難用ソリューションのDroneSARを発表しています。このソリューションは、標準カメラ、赤外線カメラの両方から、映像と動画のライブストリーミングを災害時指令センターや現場の捜索救難隊に提供します。DroneSARの大まかな流れは以下のようになっています。

DroneSARが非救助者のGPS座標へタグ付け。

自動で捜索隊チームにEメールまたはSMSメッセージを送信。

地上にいる隊員が非救助者のいる現場まで迅速に到着。

すべての活動パターンを完全に記録、ログ化して、チームで共有。

ドローンが多くの命を救う時代へ

ドローンを捜索や救難に活用していく動きは、ドローンの特徴を考えれば自然な動きと言えます。

有人ヘリよりも自由に動かすことができ、これまで近づき難かった場所でも飛行できる。また、高画質映像を撮影し、その映像を遠隔地に送信することもできるとなれば、今後欠かすことができない存在になっていくでしょう。

日本国内で救急救命ドローンの研究開発を行っているEDACは、ドローンとウェアラブルデバイス等を組み合わせて救える命を救えるよう実証実験を重ねています。

今後世界中でこのような動きは活発になっていき、将来的には海や山の事故だけでなく、日常の急病の際等に救急車が到着する前にドローンが駆けつけて救命率を向上させるサービスが当たり前になるかもしれません。

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