携帯大手3社のドローンへの取り組みまとめ

夕日ドローン

日進月歩で進化しているドローンですが、最近では大手企業も続々とドローン業界に進出しだしています。

その中でも、将来のドローン業界で不可欠になるものの一つが5G通信であるため、携帯大手3社のドローン業界での動きには目が離せません。

この記事では、現在の3社が行っているドローン業界での取り組みをまとめていきたいと思います。

KDDI(au)

3社の中で最もドローン界隈に力を入れているのはKDDIではないでしょうか。提携する会社が全て今後のドローン業界で鍵になってくる企業ばかりで、提携することにより何が生まれるかが具体的にイメージできます。

3D地図上を自律飛行するドローン専用プラットフォーム

プロドローン、ゼンリンと業務提携し、モバイルネットワーク通信を活用した「スマートドローンプラットフォーム」の開発を進める。同時に3億円でプロドローンの株式を第三者割当増資で取得。

「スマートドローンプラットフォーム」はドローンの機体、3D地図、運航管理、クラウドで構成されており、自律飛行するドローンの飛行ルート管理や衝突回避は勿論、飛行中に取得したビックデータを蓄積し分析することも可能

その莫大なデータの処理と、飛行時の電波としてKDDIが提供する5G通信が要となる。

ハウステンボスと共により実践的なドローンの活用

ハウステンボスとパートナーシップを結び、KDDIの4G・5Gネットワーク、クラウド、ドローンなどの新技術を組み合わせた実証実験やサービスを進めていくとしている。

日本初の夜間ドローンレース大会に協賛し、同じ日程でモバイル通信ネットワークを利用する「スマートドローン」をテーマとしたアイデアソンも実施。

ドローンは実証実験をする場所に悩まされることが多いが、巨大な私有地であるハウステンボスとパートナーシップを結んだことで、より実践的な実験が可能になっていく。

セコムと実証実験を共同で進める

セコムはこれまで自社でドローンを開発し、「セコムドローン」というサービスを提供している。このサービスは、施設内等で異常があった場合ドローンが自律飛行で現場まで急行し、任務が終わったりバッテリー切れの危険があれば、自分で元のポートまで戻ることができる。また、外の天候から飛行可能かどうかも自分で判断するなど、ドローン業界では一つ抜けたサービスとなっている。

その他にも上空約100メートルから監視する「セコム飛行船」、ウェアラブルカメラを装着した警備員による巡回警備、高精度な3D立体地図によるセキュリティプランニングシステム「セコム3Dセキュリティプランニング」を提供している。

これらは大容量のデータ伝送を行うため、KDDIとセコムは5Gの特長である高速・大容量、低遅延、多接続という特徴を活かして品質向上を目指し、有事の際の情報収集や被災地支援活動を想定した実証実験も実施していくとしている。

ドローン基地局

災害時に携帯電話の利用が困難になり、車も通れなくなったような地域を一時的に復旧させるために、小型の携帯電話基地局を搭載したドローン基地局を開発。基地局としての役割は勿論、災害現場の映像をリアルタイムで転送する役割も行い、緊急時のより迅速な対応を可能にしていく。今後は全国10ヵ所の保守拠点に配備し実証を行う方針。

NTTドコモ

KDDIが空のインフラ、セキュリティ、緊急対策というところに力を入れていたのに対し、ドコモは似たようなことも行いつつ、配送分野に若干寄っているイメージがあります。

ドローンを使い離島に配送

MIKAWAYA21、エンルートと協力し、2.5km離れた離島に物を届ける実験をし成功。操縦にモバイルネットワーク通信を利用することで、目視外の遠距離でも制御可能なドローンを使った。

楽天本社から遠隔制御で千葉にあるドローンを飛行

楽天、自律制御システム研究所(ACSL)と協力し、ドローンを使った配送システムの実証実験のデモンストレーションを実施。

実験は、スマートフォンアプリで商品を注文した客に、楽天の配送用ドローン「天空」を使い、自律飛行で商品を届けるというもの。ドローンは千葉市にあり、届け先もその近隣だったが、ドローンに対して飛行の指示を出すのは遠距離にある東京の楽天本社から行われた。ドコモが提供したLTE回線を使うことで、理論上LTE回線が飛んでいるところであれば、遠隔制御が可能だということが証明された

ドローン中継局

KDDI同様、災害時にドローンを使い、一時的に災害現場の通信環境の復旧を進める動きを進めている。

既存の臨時基地局に比べ、ドローンの場合は現地まで運びやすく機動性にも優れているため、技術開発を進め、17年度以降の実用化を目指している。

「水稲プロジェクト」と「海岸保安林プロジェクト」

国家戦略特区である新潟市、ベジタリア、自律制御システム研究所(ACSL)、エアロセンスと連携し、「水稲プロジェクト」「海岸保安林プロジェクト」を実施していく。

「水稲プロジェクト」は、いもち病などの原因となる病害虫の発生状況の監視や、収穫時期の予測を行い、米の品質向上・収穫量増加を目指している。ドローンを使って上空から撮影を行い、得られた画像をドコモのディープラーニング技術により分析し、高精度な収穫予想を実現していく

「海岸保安林プロジェクト」は、全国で毎年約50万㎥のマツ枯れ被害があると言われている海岸保安林を上空からドローンを使い空撮し、その画像を「水稲プロジェクト」同様分析することによって被害木を探し出すというもの。分析結果とGPSから得られた位置情報を元に、よりピンポイントで被害木を特定することが可能となる。

ソフトバンク

ソフトバンクは他の2社とは違い、ドローンを実際に用いた実証実験やサービスというよりは、ドローンの周辺サービスに今のところは力を入れているように見えます。

ドローンユーザーをサポートする「SORAPASS」の提供

ブルーイノベーションとの協業で、飛行可能区域や風速・気象情報の確認をはじめ、操縦者や機体情報の管理、国土交通省への飛行申請の代行など、ドローンユーザーが必ずクリアしていかなければならない課題の解決をサポートする「SORAPASS」のサービスを開始。

「Smart at drone」を発表

「Smart at drone」は、農作物の生育状態の確認や、建設業界での建物やインフラの検査などをはじめとした、様々な分野に活用可能なサービス。飛行データや履歴の管理、撮影したデータから成果物を作るまでの作業など、時間と手間が掛かっていたところを簡単に行えるようにしたもので、クラウド上で共有も可能。

ドローン中継局

ソフトバンクは3社の中でも最も早くドローンを活用した携帯電話の無線中継システムの実証実験を行っており、システムの使用目的は他社と若干異なっている。他の2社が災害現場での活用を想定して実験を行うのに対し、ソフトバンクは冬の山やスキー場などでの遭難事故による遭難者の迅速な救助を行うことを目的としており、遭難者が持つ携帯電話やスマートフォンを使い、遭難場所を特定する実験も実施している。

法人向けにドローンパイロットを派遣

ドローンでの空撮を行うパイロットを派遣する「DroneAgent(ドローンエージェント)」を運営する FLIGHTS と、ソフトトバンク コマース&サービスが提携をし、法人向けに全国でドローンを使った空撮サービスの提供を開始

全国の様々な空撮案件をソフトバンクC&Sが受注し、プランの提案やドローンパイロットを現地に派遣するところはDroneAgent が行う。ドローン未経験者では分からないフライトエリアへの事前連絡、国土交通省への申請、空撮後の映像編集などの業務も必要な場合は DroneAgent が代行する。

 

 

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