大分をドローン開発拠点に!エンルート×モバイルクリエイト

エンルート

1月20日、昨年8月に大分県大分市に産業用ドローンの開発推進を目的とした研究所開設の立地表明をしていた埼玉県のエンルートと、大分県のモバイルクリエイトが業務提携をしたと発表がありました。

開発拠点は大分県内とし、産業用ドローンの製造、今後のドローン業界で欠かすことができないAIや情報通信システムの開発を共同で行います。この開発は様々な場面での活用が見込めるため、成長が期待される分野をリードしていく方針です。

得意分野を活かしたシナジーに期待

先ずそれぞれがどのような会社なのか確認しておきます。

エンルート・・・産業用ドローンの製造で国内最大手で、これまで培ってきたドローンの自律制御技術を、無人艇や、無人車両に応用し、漁業支援、水難救助、害獣対策、山間部・離島への物流などに活用できるよう現在研究開発をすすめている。

モバイルクリエイト・・・移動体通信事業(携帯電話、PHS、IP無線等の移動体回線網を使い、通信サービスを行う事業。)を中心としている会社。NTTドコモのFOMA通信網を使用することにより、全国広域での音声通話が可能な業務用IP無線システムを日本で初めて開発するなど、IoT技術や産業用ロボットのインフラとなる技術を持っており、グループ企業ではドローン事業も展開。

業務提携なので当然ですが、これから先のドローン業界の流れを考えると、両者はお互いに痒い所に手が届く、補完し合っている関係と言えるのではないでしょうか。

今後の展開

今回の業務提携を開始するにあたり、エンルートは以下のように発表しています。

エンルートとモバイルクリエイトは、大分発信のドローン事業を展開することについて協業の可能性を模索した結果、製造面においてはモバイルクリエイトのグループ企業、開発面においてはモバイルクリエイトと協業することで両社にメリットが大きいとの結論に至りました。
製造面においてはエンルートが有するUAV(無人航空機)、UGV(無人地上車両)、USV(無人水上艦・水上艇)などの産業用ドローンの製造の一部をモバイルクリエイトのグループ企業が受託することで、大分県を製造拠点としてドローンの機体を供給してまいります。

今後は、ドローンがモバイル通信網につながり、クラウドからの遠隔操作にて自律飛行を行い、ドローンで得られた情報をビッグデータとしてAIが学習することで、様々な分野でのサービス活用が可能となると考えています。エンルートとモバイルクリエイトは、AIおよび情報通信システム等の開発においても協業をすすめてまいります。
そして、さまざまなモノがインターネットにつながるIoT社会における、ドローンと周辺技術を活用した新しいサービスを提供するとともに、大分県を一大拠点としたドローン事業を発展させてまいります。

プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000043.000019742.html

ドローンの未来は地方から

今回の大分県の例もそうですが、今ドローンの活用が一番進んでいるのは世界的に見ても都心部ではなく地方です。

開発しても満足な飛行をする広さが無い都心に比べ、圧倒的に開発しやすい環境がありますし、将来的に見てもドローンが活躍すべきシチュエーションが多いのは地方です。

ドローンを使えば、例えば離島や山奥に住んでいる御老人の所へ薬を届けたり、救急や火事の場合は救急車や消防車よりも先にAEDを積んだドローンが現場に到着し、ドローンから届くリアルタイムの映像を見ながら救急隊や消防士がマイクを使って指示を出す、という事も可能になってくるでしょう。

他にも害獣対策、野生動物の生態調査、高速道路やトンネル等のインフラ点検、農薬散布、農作物の生育調査など、今後成長していくと考えられているドローンを使ったサービスの殆どは地方がメインになるものばかりです。

今後も今回のエンルートとモバイルクリエイトのように、地方に先端技術の開発拠点を置く会社が増え、その技術で更にその土地が便利になっていくのではないでしょうか。

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