PowerVision社発表「PowerEgg X」先取りで試してみた!

みなさん、ご存知ですか?

ドローンの対敵である「水」に打ち勝とうと挑むドローンが発売されたことを・・・

最近のドローン業界は、8Kの映像や、5Gのデータ転送、AIでの自動操縦等、最先端の技術を駆使し各社がスマートフォン並みの速度で進化を遂げようとしています。
そういった企業努力や競争で、新しい扉を開くのは大変素晴らしいことだとは思いますが、ドローン産業を活性化させるためにもっと必要なものがあるとは思いませんか?

ということで、今回紹介させて頂くのは、長年のドローン業界の課題の1つでもある「防水」という問題に敢然と立ち向かうPowerVision社製のPowerEgg Xです!

世界初音声録音&防水機能付ドローン「PowerEgg X」とは・・・

このPowerEgg Xの最大の特徴としては、音声も録音可能でハンディカムや、AIカメラに変身するという驚きの機能も搭載している点です。

このサイズのドローン(200g以上)は飛行場所がかなり限られていますが、上記のような機能があれば活用機会も増え、いたるところに持ち運びができます。そのうえセンサーサイズは劣りますが、4K60fpsというDJIのPhantomクラスの画質も備えていたり、3軸ジンバル搭載していたりと、コンパクトでスタイリッシュなこの機体は多くの場所で活躍できること間違いなしです!

これが空飛ぶハンディカム!!

まずは、通常飛行時のテストフライト。機体の組み立ては、アームの取り付けなどはコツが必要なものの、特に問題なく完成しました。

次に事前にスマートフォンにダウンロードしておいた専用アプリの「Vision+ 2」を立ち上げます。こういったドローン専用のアプリを使ったことがある人にとっては、問題なく操作できる仕様となっています。

そしてドローンモードを選択し、いざフライト!

強風だったので、ホバリング時にピタリと静止することはさすがに出来ませんでしたが、変なクセもなく、飛ばすことができました。

ただし、操作してみると機体とモニターの映像の遅延が少し気になりました。今回のテストでは、風が強かったため、遠距離や高度の高いフライトは控えましたが、そういった状態での映像遅延は恐らくもう少し目立って来ると思いますので、今後のアップデートで改善される事を期待しましょう。

そして、個人的にこのドローンに期待した機能の一つでもある4K60fpsの映像に関して、さすが、空飛ぶハンディカム!!という印象を受けました。
【ドローンプレス】PowerEgg Xの4K60fps映像

画質も大変きれいで、映像制作には申し分ない機能を持っており、これで30分も飛行できるのだから本当にすごい・・・

水中ドローンも手掛けている会社が発表した、ドローンの防水機能とは・・・

アクティブトラック等の多才な機能が搭載されているうえ、今回注目したいのは、この機体の最大の特徴の一つともいえる「防水」機能です。
「防水」と聞いて、機体自体が防水加工されているのかと思いきや、かわいらしい防水用のアタッチメントがついていました。

実際に、そのアタッチメントの発泡素材のフローターを見た瞬間には、「あれも出来るし、これもできるな・・・」 と、創作意欲を沸かしてくれる機体です!!

こういったアタッチメントがメーカーの純正で揃えられているのは珍しく、水上でのフライトでは機体損傷等のリスクは高くなるので、「純正」という安心感はとても嬉しいものですね。

そして、防水プロテクターとフローターを抱え、さっそくテストフライト!!当日は風が少し強く、水面も荒れており、防水機能を試すには絶好の環境でした。

まずは防水プロテクターとフローターを装着します。

次にアプリ上にて防水モードを選択します。

アプリ上で、「防水モードでは飛行機能が落ちます」と注意書が出てきたので、少し不安になってしまいましたが、そこまで違和感を感じる事なく、離陸が出来ました。
そして実際に水をかけての防水実験!
【ドローンプレス】PowerEgg Xに水をかけてみた!

これくらいの水は問題なく飛行できているので、多少の雨などは全く問題ないでしょう。
ただ、このプロテクターを装着した時、映像はどうなるのか?また、そのプロテクターについた水滴はどうなるのか?と疑問に思うと思いますが、結果がこちらです。
【ドローンプレス】防水プロテクター装着のPowerEgg X実際の映像公開!

レジャー等での撮影としては問題なく使えるのですが、やはりノーマルのフライト時と比べると映像の質は落ちてしまいますし、また良く見ると水滴も確認出来ます。また日光も反射してしまうので、もし作品としての映像を求めるのであれば、やはりプロテクターは外し、通常通り雨を避けて撮影したほうが4K60fpsの映像を最大限に活かすことができるでしょう。

最後に水上離着陸テスト。

アームに装着するフローターはマジックテープでの着脱式なので簡単に装着できます。また離陸後も通常時より風の抵抗は多少受けますが、そこまで違和感なくホバリングしています。

そして、いよいよ水上へ!
【ドローンプレス】PowerEgg X水上にだダイブした瞬間の実際の映像公開!

沈没してしまわないかと恐る恐る水面に着水させると・・・抜群の安定力!ここまでしっかりと安全に浮いてくれるなら、サーフィンや釣り、カヌー等と活用方法がさらに広がります!また海上飛行する際の安全対策としてもこのフローターの利用がおすすめです。
【ドローンプレス】フローターをつけたPowerEgg Xの着水の衝撃的瞬間!

ただ、テスト当日の様に風が強い日は水面も荒れるので、一度着水して再びプロペラを回そうとすると、機体が安定しないのか、なかなかプロペラが回らない現象が起きたので、最悪の場合は流されてしまう恐れもあります。やはりこの機体に限らず強風等のコンディションの悪い時には、飛行を控えるのがベストです。

PowerEgg Xで広がる活用方法

このPowerEgg X、今までのドローンよりも、はるかに挑戦的な機体であり、レジャーはもちろんのこと、橋やダムのインフラ点検等、従来だと飛行が難しい場所でも広く活用できることでしょう。映像面では、これからの改善を期待したい点や、申請面では、現時点でプロペラガードの発売情報はなく、飛行申請する際に少し苦労するとは思いますが、ドローン業界の長年の課題を着実に進化させ、さらにはドローンの裾野を広げてくれる、そんな期待がつまっている最新のドローンです。

多種多様のドローンを産み出しているPowerVision社

ドローン産業がさかんな中国・北京に本社を構えているPowerVision社。通常のドローン以外にも水中水上の撮影を可能にし魚群探知として活躍する「PowerDolphin」や最大30mも潜航可能な「PowerRay」など防水機器を得意としている企業です。
新たに発表した「PowerEgg X」を含め、今後の技術革新が楽しみです。