ドローンを使った配送など、ドローン関連のニュースは何かと未来を感じずにはいられない内容のものばかりですが、先日また新たに、これまでの常識を覆すようなニュースが入ってきました。
場所は世界中の富裕層が多く集まるドバイ。そのドバイで自律型のドローンタクシーなる物を導入しようとしているようです。しかも、数年後の話ではなく、今年の夏に導入できるように計画を進めています。
ドローンタクシーの全貌
ドローンタクシーに用いられる機体は中国メーカーEhangのEhang184。今現在わかっている機体のスペックは以下の通り。
- 全長（プロペラ含む）： 4,024×3,989（ミリ）
- コックピットサイズ： 1,018×2,074（ミリ）
- 定員： 1名
- 積載重量： 最大100キロ程
- 飛行時間： 30分
- 飛行距離： 最長50キロ
- 最高時速： 時速160キロ
- 通常速度： 時速100キロ
これだけの性能があれば渋滞の多いドバイの都市部を移動するには十分と言えそうです。
以下は、ドバイの運輸当局が公開したドローンタクシーのコンセプトムービーです。話題づくりではなく、本気で実現に向けて計画が動いているのが分かるかと思います。
機体はドバイ市の担当者がリモートで常時監視しており、コマンドセンターで全機体を集中管理しています。自律型ドローンのため勿論パイロットはおらず、利用者はコックピットに乗り込みシートベルトをしたら、パネルをタッチして目的地を指定するだけであとは何もする必要はありません。人を運べるのであれば当然物も運べるため、このサービスが今年の夏に本当に実現した場合、ドローンによる物の配送サービスも一気に広がっていくかもしれません。
先進的な技術の発展を後押しするドバイ
ドバイはこれまで、先進的な交通インフラの構築を可能にするような輸送テクノロジーに多くの投資をしてきました。
例えば、テスラやスペースX社で知られるイーロン・マスクが発案し世間を賑わせた、チューブ型高速輸送システムのハイパーループは、実現こそまだまだ難しいですがドバイで計画は進んでいます。総費用や技術的なハードルの高さから、賛否両論が巻き起こるこの計画ですが、ドバイは約161km離れたドバイ・アブダビ間を所用時間わずか12分で移動するという壮大な夢に投資しました。
今回のドローンタクシーも、人をドローンに乗せて自律制御で目的地まで運ぶというまるでSF映画のような発想に投資をし、実際に今年の夏には導入しようかというところまで来ています
ドローンタクシーに使われるEhang184は昨年のCES2016で世界に向けて発表された機体です。つまり、どこの国にも今回のドバイのように世界の注目を集め、先進的な一歩を踏み出すことができるチャンスはあった筈です。
最後に物を言うのは、技術も勿論ですが、それよりもチャレンジ精神と先進技術への理解なのかもしれません。