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2025年「大阪・関西万博」空飛ぶクルマ提供に向け、ドローンの衝突防止技術を用いた試験に成功

ドローンプレスレベル4空飛ぶ

株式会社FaroStarは、株式会社ACSLの協力のもと、2022年2月2日(水)大阪府大阪市、2月3日(木)広島県福山市において、「非管制区域を飛行する無人航空機と回転翼航空機の安全性を高める衝突防止自動管制技術の実証試験」を実施し、成功しました。

大阪・関西万博での空飛ぶクルマの社会実装実現に向けた実証実験

空飛ぶクルマの実用化に向けた「空の移動革命に向けたロードマップ」では、山間部など人の少ない地方におけるモノの移動から2023年を目標に空飛ぶクルマを事業化し、2030年代に向け地方における人の移動、都市における人の移動へと徐々に拡大していく方針を掲げています。2021年度からは、ロードマップの改訂や中長期的なユースケースについて検討が進んでおり、2025年に開催される「大阪・関西万博」で空飛ぶクルマを活用したサービスを提供するため「大阪・関西万博 ×空飛ぶクルマ実装タスクフォース」が設置され、議論が進んでいます。

2025年の大阪・関西万博の会場である夢洲での空飛ぶクルマの輸送サービスの社会実装を実現するに当たり、万博会場上空や万博会場周辺空域の安全確保や衝突回避が課題となっています。今回行われた実証試験は、安全確保・衝突回避にかかる課題解決に向けた自動管制の実効性を検証するため、FaroStarが開発した衝突防止自動管制技術を活用して行われたものです。離島地域における「空飛ぶクルマ」の活用をイメージし、新たな交通手段としての具体的な利用方法を住民が体験することで、社会的受容性の醸成を図ることを目的としています。

レベル4飛行実現に向け、官民で進める自動運行管制システム

小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会では、安全にドローンを活用するための様々な技術や制度のロードマップが2016年に作成されており、その中でドローンの飛行による利活用がレベル1から4までの4段階に分けられています。目視外の自動飛行を都市部でも行うレベル4は2022年度を目途に実現する目標として掲げられており、それを達成するために、新たな技術開発だけでなく、社会で利用していくための制度の充実が求められています。

政府としても、安全に飛行できる環境を整えることで、国際的な開発競争をリードしたいという狙いがあり、ヘリコプターや小型無人機のドローン、「空飛ぶクルマ」などの衝突を避けるための運航管理技術の開発を推進、旅客機のように飛行情報を一元的に管制ができる体制作りを目指しています。通信機器メーカーや機体メーカーと共に、通信を使って機体の位置情報や周辺状況などを瞬時に把握する技術を開発にも乗り出しており、地上の基地局に情報を集約し、機体が同じ着陸場所に向かっている時などに航行ルートを指示するほか、混雑している空域では機体同士が互いに位置を把握し、自動で衝突を避ける仕組みづくりを想定しています。またドローンメーカーには、新たな仕組みに対応できる機体を作るよう促しています。

KDDI株式会社は2021年3に市街地など有人地帯の上空におけるドローンの目視外飛行(レベル4運航)の実現に向け、安全な同時飛行を実現する「KDDIスマートドローン」の管制システムの開発を発表し、2021年度中の運用開始を目指して進めています。同社は、ドローンが運送・監視・農業などのさまざまな分野で活躍する社会の実現に向け、4G LTEなどのモバイル通信でドローンを遠隔制御し、安全な長距離飛行を実現するプラットフォームであるKDDIスマートドローンを開発・提供。同システムは、複数のドローンを同時に飛行させる際に、管理者がドローン同士の衝突回避などの管制を行うもので、KDDIスマートドローンや他の制御システムで運航する全国のドローンおよび、ヘリコプターなどの有人機の飛行情報も収集可能となっています。これにより、事業者が配送や巡回警備などで複数のドローンを運航させている場合でも、各事業者間が連携し、互いのドローンを安全に運航できるようになります。2022年2月には日本航空株式会社(JAL)と協業し、JALが培ってきた安全管理を含む運航管理といった航空運送事業の技術・知見をKDDIの運行管理システムに組み合わせることで、全国各地で展開される複数のドローンが飛び交う上空で衝突回避などの運航管理業務を行う体制を構築していくとしています。

衝突防止自動管制技術について

衝突防止自動管制技術は、航空機やドローンの飛行情報を取得し、そのデータを基に飛行体同士が衝突する可能性を検知すると、「空飛ぶクルマ」を模擬したドローンに回避可能なWP(ウェイポイント)を指定して自動回避させ、衝突を回避できたと判定すると次のWPに誘導するアルゴリズムです。

今回の実証試験に使用したACSL製の国産の産業用ドローンは、物流、インフラ点検、災害等、様々な分野ですでに採用されており、特に、全国的にも事例の少ない補助者無し目視外飛行(レベル3)について、多くの実績を積んでいます。ACSLでは、国産ドローンACSL-PF2にFarostarの衝突防止自動管制技術を搭載することで、ドローン飛行の安全性を高めることが可能となるとしています

衝突防止自動管制技術 実証実験概要

・実施日:2022年2月2日(水)~3日(木)
・場所:大阪府大阪市及び広島県福山市
・内容:
本実証では仮想ドローンとACSL-PF2実機での回避試験を実施。具体的には、「空飛ぶクルマ」を模擬したドローンが出発地を離陸し、計画飛行により指定の場所へ飛行。計画飛行中にFaroStarの衝突防止自動管制システムからの指示により仮想ドローンの回避行動を行う。回避後は元のルートに戻り、指定の場所に着陸する。
・結果:
大阪市、福山市における2か所の実証試験において、計画飛行中のドローンが衝突防止自動管制システムからの指示により仮想ドローンの回避を行うことができました。また回避後は元の計画飛行に戻り、指定の場所に着陸することができ、安全に飛行することができることを確認しています。

業務の省人無人化を目指す国産ドローンを開発するFaroStarとACSL

【FaroStar】
FaroStarは、高度200m以下の非管制区域を飛行する飛行体を検知し、宅配ドローンや空飛ぶクルマなど自律飛行するエアモビリティの安全な運航を支援する航空管制の実現を目的として、衝突防止自動管制技術を開発し、都市交通管制システムを用いた自動管制サービスを提供しています。具体的には都市交通管制システム「UMTCs 」を活用した陸・海・空の自動管制アプリケーションサービス、災害発生時に災害に関する情報を共有するアプリ「FaroStarVision」、AI駆動型の次世代収集/配送最適ルート自動生成システム「Rabbit Hopper」を提供しています。

【ACSL】
ACSLは、産業分野における既存業務の省人化・無人化を実現すべく、国産の産業用ドローンの開発を行っており、特に、画像処理・AI のエッジコンピューティング技術を搭載した最先端の自律制御技術と、同技術が搭載された産業用ドローンを提供しています。ドローンの制御を担うフライトコントローラ(FC)を自社開発しているため、用途に応じた柔軟なカスタマイズを可能としている点、最大対気速度20m/sと風に強く、防塵・防水性に優れた機体設計のため、あらゆる環境で使用することができる点が特長で、市場ニーズに合致した安全安心のドローンを提供しています。既にインフラ点検や郵便・物流、防災などの様々な分野で採用されています。また他業務の省人化を推進していくために、産業用ドローン開発を通して成熟させた自律制御システムを他ロボティクスへの適応を図っています。ACSLではこの事業戦略を推進することで、2025年で売上高100億円、純利益10億円を達成し、持続可能な成長が可能な体制を目指しています。

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