ドローン会社のスタートアップであるGaruda Aerospaceは、インド北部のウッタル・プラデーシュ州内の7,000の村をドローンでマッピングし、記録を樹立しました。
同社は2021年9月にインド測量局(The Survey of India)から入札を勝ち取り、農村部における大規模な地図作成及び土地整備のデジタル化のためのドローン配備の許可が与えられました。この承認により土地所有者と農民は、正確なデジタル土地証明書と、所有地全体の綿密なレイアウトがわかるようになる専用のIDが付与されることとなりました。これらのマッピング作業を実施するために、Garuda Aerospace社は15機の固定翼ドローンを配備し、それぞれ時速8〜10平方kmの速度でマッピングを実施しました。
ドローンマッピングによる土地・不動産係争の解消
Garuda Aerospace社は、Svamitva Scheme(パンチャーヤティ・ラジ省による村落マッピングプロジェクト)を通じ、土地記録をデジタル化し、土地・不動産係争の解消という首相の目標を達成する上で主要な役割の実現を目指します。Garuda Aerospaceは、14万ある村のうち、7,000村のマッピングに成功しました。これはドローン会社が1年間にマッピングした村の数としては現在までに最多となっています。同社は、技術の向上、コスト削減、ドローンの貸与や補助金などを通じて、農業技術の向上を目指しています。
AIやML搭載のドローンがインド農業を活性化
「私たちGaruda Aerospaceは、土地所有者に権利を提供し、土地記録のマッピングとデジタル化を行うという政府の夢を実現する機会を得たことを非常に誇りに思っています。この1年でウッタル・プラデーシュ州の7,000以上の村のマッピングが完了しましたが、今後数ヶ月でさらにいくつかの村を対象にドローンを配備したいと考えています。」と、Garuda Aerospaceの創設者兼CEOのAgnishwar Jayaprakash氏は述べています。
「今回は翼のある飛行機のような形をした固定翼ドローンを導入しました。このドローンには、土地に肥料を撒く機能も備わっており、数分でかなりの領域をカバーできるため、時間を節約し、通常肥料を撒く際に、農家の人たちが有害な化学物質にさらされるのを防ぐことができます。さらに、AI(人工知能)やML(機械学習)を活用したマッピングも可能です。
弊社は、農業コミュニティにさらなる生産力を与えることができると信じています。マッピングの精度をあげるためにもより一層改良を続け、弊社のビジョンを達成するためにこれからも新しく、より良いソリューションの開発に取り組んでいきます。」
Garuda Aerospaceは400機のドローンを保有し、26都市で500人以上のパイロットからなる優秀なチームを擁しています。最近、同社は2億5000万ドルの評価額で、3000万ドルのシリーズAラウンドを開始しました。Garuda Aerospace社のブランドアンバサダーであり、元インドクリケットチームのキャプテンであるマヘンドラ・シン氏も同社に投資しています。
日本ではドローンの活用方法としては聞き馴染みのない「土地・不動産係争の解消」。国が違えばドローンの活躍する分野も異なってくるのがおもしろいですね。
インドでは官民の双方から農業や土地活用にむけたドローン活用が今後進んでいきそうです。