人工知能搭載ドローンの開発・販売を手がけるイスラエルの「ThirdEye Systems Ltd(以下サードアイシステムズ)」のAIドローンが、イスラエル国家とイスラム組織ハマスの間で勃発している戦闘へ投入され、テロリストの探知に役立っている。
イスラエル国防軍(以下、IDF)のスカイライダー部隊は昨今の戦闘のエイタン作戦、及びピラークラウド作戦へAIドローンを投入した。スカイライダー部隊ではサードアイシステムズ社製のAIドローンがテロリストとその車両等を探知する任務を行なっており、”AIドローンは重要なリアルタイム諜報情報を提供します。これまで数十億シュケルを無人航空機に投資してきました”と語る。AIドローンはガザ地区のテロリストと車両の動きを自動的に探知し、IDFの地上部隊の戦闘に貢献している。
サードアイシステムズのCEOであるLior Segal氏は以下の通り語った。
”これがサードアイシステムズ社の「キメラシステム」です。国防省「Mapat」の支援を受け開発され、IDFをはじめとする多くの治安部隊・機関で使用されています。このシステムは独自の訓練を受けたオペレーターの配備が不要で、既存部隊へ簡単に導入できるのです。今回の2つの作戦以前からガザ地区北部でも運用されており、当システムを活用することで、ガザ地区とイスラエルを分断している境界フェンスを人的に越える必要がなかった”
“何年にも渡る数々の技術開発により、膨大なるセンサー情報、ビジュアル情報を大幅にアップデートすることが出来た。特質する点は、低消費電力のプロセッサー開発による飛行時間の延長、またドローン機体内で情報を解析でき、地上局に送信する手間を省きます。”
“これら全てが1つに統合され、最終的に地上部隊に集約される。旧機体に比べ、ストローの先を通して世界を見るといった感じ。有益なフローで、実際に起こっている事象が逐一確認できる。我々は小さな覗き穴としてのストローを最大15本まで投入しパノラマ画像を構築出来るし、 機体上で生成するデータは刻々変化する環境下で非常に小さな物体を探知することもできる。すでに無人航空機に数億シェケルの費用を投じ、 非常に重要なリアルタイム情報をユーザーに提供出来ている”
“ビジュアルインテリジェンスが地上部隊にデータを提供する。今はエルビット社製のスカイラークがあるが、かなり重量があり高価なドローンで、かつオペレーターが境界フェンスを越える必要がある。近年、IDFでは他にも多くのドローンを検討・購入し、ドローン運用専任の職に就く兵士を配備しているんだよ”
サードアイシステムズによると、機体・飛行システム・操作する人工知能のトレーニングのすべてを社内で開発しているという。”我々のアルゴリズムチームがここ7,8年開発に取り組んでおり、インフラチームとメカニックチームがシステムを構成している。システムは勿論、スクリューからセンサーまで自社製なんだ”と語る。またキメラシステムは当初、消防と警察等の民間探知に適するよう、開発していたことも明かした。